言士 #04

 毎年の恒例行事、手帳整理が始まった。今年はコロナの影響で空白が目立つ。空白の手帳は、自粛時間の長さに直結している。その間、車のバッテリーはあがり、電気代も上がり、血糖値も上がった。思い返せば、会社を始めた頃は人と会う約束の時間管理が手帳の主たる用途だった。いつしか用途は、今日やるべき仕事に変化し、今では動画の編集スケジュールになっている。そうなると来年の手帳を購入するかどうかで悩んでしまう。おそらく来年も自粛は続くだろう。(手帳の意味があるのだろうか?)と思うのだが(いや、モチベーションを保つために)という考えがまた悩みを継続させる。そして、悩んだ末にいつものネットサイトでポチッとしてしまった。私にとって、手帳はたとえ空白が多い年だったとしても自分の身近に置いておく大切なアイテムのひとつ。私自身の決断した事情の「なぜ」を解明する重要なアイテムだからだ。アタッシュケースにシステム手帳と万年筆を入れて、仕事に行くことが自身のステータスだった頃がある。手帳は、その時の余韻なのかもしれない。思い返せば、過去これだけ空白が多い年はなかった。人生において最も空白の多い年だったのかもしれない。やることがなかったわけではない。むしろやることは今まで以上に増えたのだが、それを書き留める作業ができなかった。スケジュールを管理するだけでなく、その時々の気持ちも書き加えているため、その時の気持ちと向き合うことを避けていたからだろう。自粛というのはモチベーションを下げるだけでなく、感性までも下げ、やがては体力さえも奪っていく。だからどう向き合い、どう楽しむかが大きな課題となってくる。私のよくやっている自粛生活は、昔見たドラマや映画を主人公目線ではなく違う人物を軸に見てみるということだ。そうすることで、全く違った物語にさえ思えるモノもある。だが、見終わった後は、どんなモノを見ても(どんだけ暇やねん…)という感想になるのだが。例えば「エイリアン」という映画で怪物のエイリアンは言葉を発しない。そこに台詞を当て込むとかなり面白い。ラストシーンで宇宙船に隠れている時など「あっ、見つかっちゃった。仲良くしようと思ってん」みたいな言葉を当て込むと少し笑える。最後には宇宙船から放り出されるのだが、「えっ!なんでなん、仲良くしたいだけやのに、やめてーなー」という台詞を入れるとかわいそうにさえなる。こんなつまらないことを思いつくのも自粛ならではといえるだろう。きっと来年はもっとくだらないことを思いついているに違いないと今から思っている。世の中がどう変化していくかはわからないが、私は自身であり続けるために、くだらないことをやり続けようと思う。私にとってのくだらないことは、いつか私にとっての重要なベースになると思っている。それは手帳の空白のように、何もないようで実は多くのものがあるページとして残るはずだからだ。空白なら手帳は要らないのではなく、手帳があるにもかかわらず空白というのが大事な要素なのだ。なぜなら「大事なモノは目に見えない」ということだ。空白は空っぽではなく余白でもない。私にとっての空白は戦いそのものなのだ。

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