11月の月初に、身内だけで伊勢神宮に行ってきたのだが、その日は駅伝大会が開催されていたため、道路は至るところが封鎖。人混みは恐ろしいほどの混み具合。駐車場がどこも満車だったため、残念ながら私は車に乗ったまま待機。となると、あとは昼食だけが唯一の楽しみ。(以前食べたウナギ屋さんに行こう!)と心に決めていた。そろそろお腹が空いてきたと思った頃に合流。「お昼、前食べたウナギ屋さんに行くでぇ~。」そう言ってワクワクしながら車を走らせた。数分走ると見覚えのある建物が見えてきた。(やった!着いた着いた!)もう口は美味しかったあの「ウナギ」の口になっている。が、店の駐車場に入るとお昼時にもかかわらず「準備中」の看板。(まさか!)そんな不安が脳裏を過ぎる。「まだ早かったか、もう少し時間つぶしてから再チャレンジしよう。」ということとなった。30分ほど時間をつぶした後、再度チャレンジ。期待と不安が混ざった目で看板を見ると、そこには私の希望を粉々に打ち砕く「準備中」の文字。電気もついておらず、駐車場に車も止まってない。(ああ、ここもコロナでやられたか…)もう希望が見えない。仕方なく違うウナギ屋さんに行くことに。そこはタレを最初から混ぜているバージョンと、後から自分で混ぜるバージョンがあった。私は(お店に任せたほうがうまいに決まっとる!)と思い、混ぜているバージョンを選択した。しかし、これまた失敗! かすかな希望さえまたも粉々に打ち砕かれた。まんべんなく混ぜられたタレは気持ちが悪くなるほど濃厚だったため、ジジィ(私)の胸焼けを誘発した。私にとって何から何まで全くツイてない日だったため、日を改めて再チャレンジすることにした。帰りにインスタ映えするスポットに寄り、無邪気にはしゃぐおばさま達を撮影。(インスタ映えといっても、インスタをやってねぇくせに…)と思ったが、まぁ自己満足させてやろうと、希望が何もない状況であったにもかかわらず、寛大な心で撮影した。写真は確かに映えるものだった。(こういう場所を知っておくのも大事だなぁ~)と希望のない中、進化することも忘れない。この日は、自分のいいところを発見した日でもあった。そう思うことで、お先真っ暗な状況から少し抜け出した。次回のチャレンジでは新たなウナギ屋を見つけることが私の最優先項目だ。ん、待てよ…やっぱりお参りを最優先しなければバチが当たって、また希望を打ち砕かれるハメになるかも……。なので次回は食べることを考えず、純粋にお参りに行こうと決めた。そんな決意の日から数日、パソコンの履歴には「伊勢 ウナギ屋」の文字がやたら残っている。どうやらどう頑張っても悪意に満ちた私の心には「今度こそ」が渦巻いているようだ。私の中の「ウナギ」の文字は、前よりもさらに輝き(カバヤキ)を増している。

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