言士 #02

 「あなたにとって大切なことはなんですか?」こんな質問がテレビから聞こえてきた。昔の自分なら迷わず「仕事」と答えただろう。支えてくれる家族のため、恩のある上司のため、慕ってくれる部下のため、そして自分のため、寝る間も惜しんで仕事をしていた。休日などはなく、毎日明け方まで仕事をする日々。多少調子が悪くても(自分は大丈夫!)と思い込んでいた。だが、厄年と同時にそれはやってきた。朝目覚めると、なぜか歩きづらい。体がだるく、思うように動かない。(これはおかしい)と感じ、とりあえず体重計に乗ってみた。すると10キロ以上痩せているではないか!。(こんな激痩せは糖尿か癌しかないやろ……)考えても仕方ないので病院へ行くことに。予感は的中し、「すぐに入院してください!血糖値が通常の5倍以上になってますよ!」医者はかなり強い口調で言った。しかし、どうしても入院することができなかったので、通院にしてもらったのだが、結局無理がたたり、かえって周囲に迷惑をかけることになってしまった。部下に任せていても(自分がいなければ)などと考えてしまう。(自分を頼ってくれてる人にこたえなくては)と勝手に思い込んでしまう。数年後、そんな部下も会社を去り、恩があると思っていた人も去っていった。実際に「恩がある」というのも自分が勝手に思い込んでいるだけだったこともわかった。頼られているというのも、実際はその方が彼らの仕事が楽だからということにほかならない。何も考えずに楽をしていた人は、しんどくなると簡単に投げ出す。そんな単純なことが、病気をして働きづらくなるまでわからなかった。仕事は確かに大事だが、それ以上に自分を心配してくれる人の方が数十倍も大事だということにもっと早く気づくべきだった。この先、体の調子はもっと悪くなるかもしれない。その時、今自分がエネルギーを注いでいる人は助けてはくれない。小さなことも見逃さずに見守っていてくれる人が助けてくれるのだ。私の場合、基礎疾患があるため、コロナはかなりヤバイ。なので、せめてかからないように注意を払い、周囲に迷惑をかけないように頑張って自粛している。それが今まで見守ってくれていた人たちへの責任ある行動だと思っている。「あなたにとって大切なことはなんですか?」この問いに今なら迷わず、共に笑い、共に喜び、共に悩み、共に責任を果たす仲間たち、と答える。「責任」というのは重い言葉だ。しかし仕事においての「責任」とは、抱え込むモノではなく、共有するモノなのだ。気楽に生きることは難しいが、気長に生きることはできそうだ。何かが起きれば起きてから考えればいいだけだ。そんなことより、季節を感じ、空を見上げ、日々を楽しみ、笑顔でいることこそが大事なはず。生活するのにお金は必要だが、欲張っても仕方がない。何かをあてにせず、あてにもされず、それでいて、いざという時に力が出せればそれでいい。私は今、そんなモノを目指している。

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